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活動ベースの付加価値
 付加価値とは「企業が新たに稼ぎ出した価値」です。付加価値は、売上高から外部購入価値を差し引いて算出します。
 このように算出される付加価値は、財務会計の数値をベースにしています。これを私は『財務会計ベースの付加価値』と呼んでいます。
 【図表 1】に示すように、縦軸に付加価値(現在の付加価値・将来の付加価値)、横軸に活動(過去の活動の蓄積・現在の活動)をとると、付加価値は次の通り3つに分けることができます。
@ 過去の活動の蓄積によって獲得された現在の付加価値
A 現在の活動によって獲得された現在の付加価値
B 現在の活動によって獲得されるであろう将来の付加価値
【図表 1】付加価値のとらえ方
@ 過去の活動の蓄積によって獲得された現在の付加価値
 会社の看板、営業権、暖簾、地盤といわれるものです。基盤のしっかりしたところを引き継いだ営業マンは、それほど努力しなくても売上を計上できるかもしれません。一方で、基盤が確立していないところを引き継いだ営業マンは、売上をすぐに伸ばすことは難しいでしょう。
 付加価値の中には過去の遺産が大きく、黙っていても獲得できるものがあるのです。
A 現在の活動によって獲得された現在の付加価値
 営業活動、生産活動、管理活動、その他ルーチンの活動は「現在の付加価値獲得に貢献する現在の活動」ということができます。付加価値獲得に貢献する活動の大部分がこれを占めています。
B 現在の活動によって獲得されるであろう将来の付加価値
 研究開発や新製品開発活動等は、直接現在の付加価値獲得には結びつきませんが、将来の付加価値獲得に結びつく重要な活動です。将来の付加価値獲得に結びつく活動としては、顧客満足・顧客創造の活動、様々な革新の活動(生産性向上施策、経営管理システムの革新、企業風土の革新 等)、人材の育成、 社会的責任(環境マネジメント施策 等)の遂行などの活動を挙げることができます。
 これらは、将来の付加価値獲得への投資とみることができます。
 このように考えると、『財務ベースの付加価値』は「過去の活動の蓄積」と「現在の活動」によって獲得された『現在の付加価値』ということができます。【図表 2】
 『財務会計ベースの付加価値』は財務会計数値に表れているものから算定する付加価値ですが、その中には「過去の活動の蓄積」によって獲得された付加価値を含んでいます。これは基本的に現在在籍している従業員が稼ぎ出したものではありません。過去の先輩達が営々と築き上げたものです。

 このような「過去の活動の蓄積」の要素を含む付加価値を、現在在籍している従業員の人件費に割くのが適切であるかという問題があります。むしろ、現時在籍している従業員の人件費としては、彼らが活動した結果として得た稼ぎ高をもととする方が適切ではないでしょうか。
 現在在籍している従業員が活動した結果として得た稼ぎ高を、私は『活動ベースの付加価値(Value-added derived from activities)』と呼んでいます。これが【図表 3】に示したものです。

 「過去の活動の蓄積によって獲得された現在の付加価値」と「現在の活動によって獲得されるであろう将来の付加価値」が大体釣り合っていれば、『財務会計ベースの付加価値』と『活動ベースの付加価値』は同じになります。
【図表 2】財務会計ベースの付加価値
【図表 3】活動ベースの付加価値
 それでは、『活動ベースの付加価値』をどのように算定すればよいのでしょうか。

 社員各人の行動分析を行い、@ 現在の付加価値獲得に貢献する現在の活動 A 将来の付加価値獲得に貢献する現在の活動 に分け、それぞれの活動時間に付加価値にかかわる時間単価を乗ずれば算定できますが、それには膨大なエネルギーがかかります。もっと簡単に『活動ベースの付加価値』を計算できないかと考え、【図表 4】のような方法を生み出しました。
 この方法で算定される付加価値は必ずしも厳密なものではありませんが、近似値は出ると思います。

 たとえ算定することは難しくても、『活動ベースの付加価値』の考え方を持つことは非常に重要であると考えています。
【図表 4】活動ベースの付加価値の算定(簡便法)
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