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7つのステップでできる部門業績評価制度のつくり方
発行
日本法令
出版年月
2016年1月
サイズ
A5判
ページ
343ページ
価格
\ 2,600円(税別)

本書の内容

我が国の仕事の進め方は「集団主義」と言われています。グループで仕事を進めていくのには長けているのですが、グループの業績を掴むことには長けていません。業績の把握は個人になってしまうのです。 野球に例えて言えば、野球はチームが勝つことが目的です。プロ野球ではチームがリーグで優勝し、日本シリーズで勝って日本一になることが目的です。チームの中の選手はチームの勝利に向けて貢献することが求められています。打者であれば打率、本塁打数、投手であれば勝利数、防御率等個人の業績を表す指標はありますが、やはり目標とするものはチームの勝利であり、優勝です。人事の分野ではこの関係が忘れられているのが不思議です。チームの勝利には関心が低く、個人に対する関心が高いのです。個人の打率、本塁打数を問題にし、これに基づく年俸を問題にするのです。これが不思議とも思われないで、まかり通っているのが現状です。我が国の人事の専門家は個人の業績評価や能力評価には関心を示すのですが、部門の業績を評価することにはほとんど関心を示さないのです。本書は、この不思議さに気づいてもらい、どのようにすれば納得的な部門業績評価制度を構築することができるかを示しています。
本書は、企業の「経営戦略、会計・経理」の分野と「人事管理」の分野を結びつけるためのツールとして「部門業績評価」を解説した他に類を見ない書籍です。管理部門の損益計算にもメスを入れ、部門業績評価制度の構築の仕方や、そのためのインフラについても解説しています。著者の豊富なコンサルティング経験をもとに、事例を示しながら、実際に部門業績評価制度構築・運用上で使用する書式についても掲載しています。

労政時報の人事ポータル jin-Jour BOOK REVIEW
『7つのステップでできる部門業績評価制度のつくり方』


部門業績評価の周辺ーーバラバラ

部門業績評価およびその周辺に関してはいろいろな立場から研究がなされています。
 会計・経理の立場からは部門別損益計算制度の研究が行われています。そこでは部門別の損益をもって部門の業績と考えているように思われます。部門別の損益が計算されない管理部門の業績にはあまり触れられていません。またこの部門別の損益がどのように個人の業績と結びつくのかもあまり触れられていません。会計・経理の専門家は部門別損益計算を精緻に行うことには強い関心を示しますが、部門別の損益の結果を個人の業績にどのように結びつけるのかになると、あれは人事管理の分野であるとして、それほど関心を示そうとしません。筆者の企業へのコンサルティング経験においても部門別損益計算制度と人事管理制度がしっかり結びついている企業は少ないように思われます。
 経営戦略・経営計画の立場からは経営戦略・経営計画を部門計画に展開して、これの策定、遂行、チェック、次のアクション(いわゆるPDCA)をどのように行うのかの研究はしているのですが、これを個人の業績評価にどのように結びつけるかは十分研究がなされていないように思われます。実際の企業の現場でも経営計画・部門計画の達成度評価と個人の業績評価が結びついていないのをよく見かけます。
 一方、人事管理の専門家は個人の業績評価や能力評価をどのように行うかは研究していますが、部門業績評価についての研究はあまりされていないようです。人事管理の専門家の関心は「個人」にあり「部門」にはあまりないように思われます。あくまで「個人」が基点になっているようです。したがって部門別損益計算制度や経営計画を個人の業績とどのように結びつけるのかはあまり研究がされていません。部門計画を受けて個人目標を設定するということで「目標管理」が経営計画と結びついていますが、あくまで視点は個人にあるように思われます。

部門業績評価によってそれぞれが有機的に結合

 本書で提案する「部門業績評価」はこれまでバラバラであった「会計・経理の分野」「経営戦略・経営計画の分野」「人事管理の分野」を下図のように結びつけるものです。すなわち部門別損益計算結果は部門業績評価の重要な要素となり、部門業績評価を介在して個人業績評価に結びつくことになります。経営計画・部門計画は、部門目標の達成度合いが部門業績として把握され、これもまた個人業績評価に結びつくことになります。また部門業績評価は「会計・経理の分野」「経営戦略・経営計画の分野」「人事管理の分野」を単に結びつけるだけでなく「部門業績」を「部門目的の達成度合い・実現度合い」と定義して積極的に独自の分野を構築するものと位置づけています。

本書の目次

はじめに
T 今、なぜ部門業績評価なのか
  1 評価の納得性を高めるための「評価の仕組み」の要件
   (1) 漏れなく本人の行動や結果が把握できる仕組みになっているか
     @ 能力主義の評価の仕組み
     A 役割主義の評価の仕組み
     B 成果主義の評価の仕組み
     C 漏れなく個人業績を把握するには
   (2) グループや部門の業績をしっかり掴む仕組みができているか
   (3) 評価の論理と処遇の論理が区分される仕組みになっているか
  2  人事を強化する部門業績評価
  3  現在多くの企業で行われている部門業績評価の位置づけ
   (1) T社のケース
   (2) G社のケース
   (3) F社のケース
  4  部門業績評価の周辺 バラバラ
  5  部門業績評価によって有機的に結合
  6  本書での「部門業績」の主張
   (1) 業績の部門と個人の峻別を図る
   (2) 部門業績を的確に評価できる仕組みを構築する
   (3) 部門業績を『個人業績』の要素とする
U 成果(業績)とは
  1  成果(業績)とは
  2  「企業業績」「部門業績」「個人業績」の関係
  3  部門の業績
  4  個人の業績
   (1) 管理職の業績
     @ 管理職の役割
     A 管理職の業績
   (2) 一般社員の業績
   
V 部門業績評価制度を効果的にするインフラ
  1  等級別人件費レート
   (1) 等級別人件費レートとは
   (2) 等級別人件費レートの算定の仕方
  2  内部売上高レート
W 管理部門の損益計算
  1  なぜ管理部門に損益計算なのか
  2  管理部門損益計算の概観
  3  管理部門売上高の計算
   (1) 定常業務売上高の計算
     @ 職務調査の仕方
     A 作業時間集計から定常業務売上高を算定
     B 定常業務売上高の変更
   (2) 定常業務売上高の増減額の計算
     @ 定常業務の質と量の評価
     A 定常業務売上高の増減額
   (3) 改善開発業務売上高の計算
     @ 改善開発業務のランクづけ
     A ランクの確定
     B 改善開発業務売上高の計上
   (4) 突発業務売上高の計算
     @ 突発業務とは
     A 突発業務の報告
     B 突発業務売上高
  4  管理部門の人件費・経費の計算
   (1) 社員人件費の算定
   (2) 時間外手当の計算
   (3) 雑給の計算
   (4) 部門間の応援の計算
     @ 他部・課へ応援する
     A 他部・課から応援を受ける
   (5) 直接統制経費の計算
  5  本部経費配賦額の計算
   (1) 本部経費の集計
     @ 部門損益計算上の収益・費用
     A 部門別に把握できない費用
     B 各種差異
     C 営業外損益
   (2) 本部経費の配賦基準
   (3) 本部経費の配賦
X 部門業績評価制度構築の実際
  1  部門業績評価制度の全体像
  2  部門業績評価制度構築のステップ
   (1) プロジェクトの組成
     @ プロジェクトリーダー
     A 推進役
     B メンバー
     C 事務局
     D 時間
   (2) プロジェクトのスケジュール
  3  部門業績評価制度構築のステップ
  4  ステップ1 部門業績評価の対象部門・評価期間
   (1) 部門業績評価の対象部門
     @ 全部門を部門業績評価の対象部門とする
     A 組織階層を決める
     B 部門業績評価の対象部門を設定する場合のポイント
     C 部門業績責任の明確化に伴う組織再編
     D 部門業績をどのような目的で使うかを考える必要がある
   (2) 部門業績評価の評価期間
     @ 基本的には個人業績の評価期間と合わせる
     A 1年単位で業務を行っている企業・組織は評価期間も1年単位とする
  5  ステップ2 部門の目的の設定
   (1) 経営理念、経営目標、経営戦略の確認
   (2) 「部門にとって大切にしたい価値観」からのアプローチ
     @ 価値観考察ワークシート
     A 大切にしたい価値観ワークシート
   (3) 「部門の業務分掌」からのアプローチ
   (4) 「部門の顧客の期待」からのアプローチ
   (5) 「部門の目的」の設定
  6  ステップ3 部門業績評価要素の設定
   (1) 部門業績評価要素の体系
     @ 成果
     A 品質
     B 効率
     C 革新
   (2) 部門業績評価要素の設定
  7  ステップ4 部門業績評価項目の設定
   (1) 部門業績評価要素の絞り込み
     @ 現実に把握可能か
     A 重要性・戦略性はどうか
     B コントロール可能か
   (2) 部門業績評価項目の体系
     @ 規定評価項目
     A 自由評価項目
   (3) 規定評価項目と自由評価項目
  8  ステップ5 部門業績評価項目の定義、ウエイト、評価基準の設定
   (1) 部門業績評価項目の定義(算式)
   (2) 部門業績評価項目のウエイト
   (3) 部門業績評価項目の評価基準
     @ 評価段階を何段階にするか
     A 評価項目のタイプ
     B 売上高目標達成率の評価段階をどのように設定するか
   (4) 部門業績評価項目・ウエイト表、部門業績の把握方法、評価基準
  9  ステップ6 部門業績評価制度の運用
   (1) 部門業績評価得点の計算
     @ 部門重点施策の得点計算
     A 部門業績評価得点の計算
   (2) 部門業績評価用紙
   (3) 部門業績の評価者(一次評価者、評価委員会)
   (4) 事務局
  10  ステップ7 部門業績評価結果の運用
   (1) 個人業績評価の要素とする
   (2) 賞与の原資配分の要素とする
     @ 賞与計算の仕組み
     A 賞与計算の実際
Y 代表的な部門業績評価項目の例示(部門別)
  1  営業部門
  2  製造部門
  3  管理部門
  4  研究・開発部門
Z 部門業績の把握方法
  1  部門重点施策
   (1) 部門業績評価の中での部門重点施策の位置づけ
   (2) 部門重点施策の様式
   (3) ランク欄
   (4) 部門重点施策の評価
   (5) 部門重点施策 策定のアプローチ
     @ 全社目標、上位部門目標からのアプローチ
     A 部門の目的・使命からのアプローチ
     B 前期部門重点施策からのアプローチ
     C 問題発見からのアプローチ
   (6) 部門重点施策 策定上の留意事項
     @ 部門の目的を明確にする
     A 部門構成員を巻き込んで行う
     B 部門目標分担マトリックス表を活用する
     C 問題意識・当事者意識を常に持つ
     D 挑戦する気構えで目標を設定する
     E 管理職の個人目標とダブらせない
     F 規定評価項目とダブらせない
     G 部門重点施策の記入は的確に
  2  定常業務の質と量
   (1) 定常業務の設定
   (2) 「定常業務の質と量」評価用紙
   (3) 「定常業務の質と量」評価基準
   (4) 定常業務売上高の増減額
  3  他部門への支援度
   (1) 「他部門への支援度」評価用紙
   (2) 「他部門への支援度」評価用紙への記入
   (3) 「他部門への支援度」評価基準
  4  部門利益額目標達成率
  5  顧客満足度
   (1) 顧客満足度調査
   (2) 「顧客満足度」評価基準
  6  顧客クレーム削減率
   (1) クレームを分類
   (2) 品質管理部で判定
  7  売掛金回収率
[ 管理部門の部門業績評価
  1  管理部門の部門業績評価基準
  2  管理部門 部門売上高目標達成率の評価
   (1) 管理部門の部門売上高目標の設定
   (2) 管理部門の売上高目標達成率の評価は特に何もなければ『3』評価
   (3) 管理部門の売上高目標達成率の評価が『4』『5』になる要件―1
   (4) 管理部門の売上高目標達成率の評価が『4』『5』になる要件―2
  3  管理部門 部門貢献利益目標達成率の評価
   (1) 管理部門の部門貢献利益目標の設定
   (2) 管理部門の部門貢献利益目標達成率の評価は特に何もなければ『3』評価
   (3) 管理部門の部門貢献利益目標達成率の評価が『4』『5』になる要件
  4  管理部門 部門売上高目標・実績、部門貢献利益目標・実績のまとめ
   (1) 部門売上高目標の設定
   (2) 部門売上高実績の算定
   (3) 部門貢献利益目標の設定
   (4) 部門貢献利益実績の算定
\ 部門業績評価制度がうまく機能する人事制度
  1  個人業績評価に部門業績を組み込むやり方
  2  能力主義では部門業績をどのように組み込むか
  3  役割主義では部門業績をどのように組み込むか
  4  成果主義では部門業績をどのように組み込むか
  5  トライアングル人事システム
   (1) トライアングル人事システムのコンセプト
   (2) 役割・能力を明確にする
     @ ステージ制度
     A 役割能力要件表
     B 役割能力要件表の読み方
     C 役割能力要件表と各種評価との関連
     D バランスのとれた評価制度
     E 役割能力要件は人事制度の核
   (3) 成果を明確にする
     @ 成果とは
     A 得意とするところで把握
     B 業績評価項目とウエイト
   (4) 賃金体系・昇給・賞与
     @ 賃金体系
     A 昇給
     B 賞与
   (5) トライアングル人事システムの鳥瞰
] 部門業績評価制度の実例
  1  モデル企業の概要
  2  部門業績評価制度運用規程
  3  H社 部門業績評価制度についてのコメント
   (1) 部門業績評価の対象部門
   (2) 部門業績評価の適用
   (3) 部門業績評価の対象期間および評価時期
   (4) 部門業績評価用紙
   (5) 部門業績評価項目とウェイト
     @ 管理部門タイプ(総務部、総務課、人事課、経理部、財務課、電算室、企画室、開発室)
     A 営業部門タイプー1(営業本部)
     B 営業部門タイプー2(本社営業部、大阪営業部)
     C 営業部門タイプー3(営業1課〜営業4課)
     D 製造部門タイプー1(製造本部、本社工場、〇〇工場)
     E 製造部門タイプー2(製造1課〜製造3課)
     F 製造部門タイプー3(品質管理課)
     G 製造部門タイプー4(工程管理課、資材課)
   (6) 部門業績の把握方法
   (7) 評価基準
   (8) 評価委員会
   (9) 部門業績評価のパワー
     @ 課題形成力の向上
     A コミュニケーションの促進
     B 価値観の浸透
     C 採算意識の喚起
     D 部門間の競争意識、協働意識の醸成
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